新電力では、大手電力会社につられての値上げはあり得る?
相次ぐ電気料金の値上げによって新電力が注目されています。
一般的な地域の大手電力会社よりも3%〜10%ほど電気代が安くなるプランもあり、電気料金を安く抑えたい家庭にはとてもおすすめです。
しかし、電力自由化はまだ始まったばかりですので、様々な不安も多いかと思われます。
特に、大手電力会社が値上げをしたら、新電力も同じように値上げが行われるのか気になるところですよね。
新電力の電気料金が安い理由
新電力の多くは、一般的な大手電力会社よりも電気料金単価が安く、少なくて0.3%ほど、多くて10%以上お得になるケースがあります。
では、何故新電力は地域の大手電力会社よりも安く電力を提供できるのでしょうか?
電気料金が安い理由は、設備投資に関わるコストを低く抑えることが出来るためです。
■地域の大手電力会社はコストがかかる
地域の大手電力会社は、電気の「安定供給」が第一目標となっています。
電気を安定的に私達に届けるためには、莫大なコストがかかります。しかし、新電力の場合の第一目標は、安定供給ではなく、利益の創出です。
コストを最低限に抑えることで、電気料金を安く抑えることができるのです。
新電力も安定供給を目指していたら、地域の大手電力会社と同じように莫大なコストがかかってしまい、電力を安く提供することができません。
また、地域の大手電力会社は、何かトラブルがあったときにも保障をする必要があります。
そのため、設備投資コストや人件費など、莫大な金額がかかってしまうのです。
■新電力の電気料金が安いその他の理由
また、新電力は過度な宣伝をしている会社は少ないです。派手な宣伝をせず、人件費もカットしているので低コストな経営を行っています。
また、安い電力を積極的に購入、性能の良い発電所や中古発電所を確保し、有効活用することで安価な電気料金を提供することができます。
しかし、ここで気になってくるのは、地域の大手電力会社の電気料金の値上げです。
電気料金が値上がったら新電力も値上げする?
例えば、東京電力の従量電灯Bや従量電灯Cの基本料金と、東京電力のずっとも電気の基本料金は同じです。
もし、地域の大手電力会社が電気料金の値上げをしたら、新電力も引きずられて電気料金が高くなってしまうのでしょうか?
実は、単純に大手電力会社が値上がったからといって、新電力の電気料金も値上がるというわけではありません。
■逆に電気料金が安くなったケースもある
電気料金が変動するのは、基本的に基本料金ではなく、電力量料金です。
そして、この電力量料金は燃料の高騰や下落の影響を大きく受けます。
例えば、関西電力や北海道電力、北陸電力などでは、2016年10月から燃油高の影響により、電力量料金の値上げをすることを決定しました。
これは、関西電力や北海道電力、北陸電力などが燃油を原料にした火力発電の割合が高いためです。
しかし、ガス火力発電の割合が多い東京電力や中部電力、ガス会社系の新電力は、天然ガスの価格が下落したので電気料金が下がりました。
このように、各電力会社の燃料が、何に依存しているかで電気料金は変わってきます。
過度の新電力の電気料金高騰はありえる?
各大手電力会社の価格が関係ないのなら、逆に電気料金が突然高くなってしまうのでは?
と不安になっている方も多いのではないでしょうか。
実は、電力自由化後の過度の値上げを避けるために、2020年までは電気料金の小売価格は規制されています。
そのため、極端に電気料金が値上がる心配は無いので、安心して新電力に乗り換えることができます。
新電力の長期契約による割引プランも、ほとんどが2年契約です。
2年間の間に突然値上げされることは無いと考えられるので、長期契約プランに加入しても安心です。
電気料金の上下はこまめ情報チェックで対応!
全ての電力会社の料金は、燃料費の高騰や下落によって変動します。
そのため、大手電力会社の電気料金が値上がっても、逆に新電力の電気料金が値下がることもあり得ますし、実際にそのようなケースは既にあります。
また、競争によって過度の値上げが心配される電力自由化ですが、2020年までは、消費者を過度の値上げから守るために、規制料金が設定されています。
2020年以降はどうなるのかはまだ現在のところわかりませんが、しばらくは、大手電力会社から乗り換えても大きな不安は無いと言えるでしょう。