電力自由化で太陽光発電をしてる家のメリットは何?

TOP > 新電力 > 電力自由化で、太陽光発電をしてる家にメリットはある?

電力自由化で、太陽光発電をしてる家にメリットはある?

太陽光と女性
2014年4月から、電力を買う会社を選ぶことができる電力自由化が始まりました。電力自由化によって、太陽光発電をしている家にもメリットは生まれたのでしょうか?電力自由化と太陽光発電の関係について解説していきます。

電力自由化の歴史

電力自由化が始まる前は、一般家庭に電気を販売することが可能なのは、東京電力や関西電力などの地域の電力会社のみでした。電力自由化は、2016年4月から突然始まったかのように見えますが、実は段階的に実施されてきたのです。

・1995年 発電の自由化(発電だけを自由化して、電力会社に卸売りをすることが可能になった)

・1999年 電気の小売部門の一部自由化(工場などの大規模な施設への電気の小売が自由化)

・2003年 小売の自由化の対象の拡大

・2016年4月 一般家庭への小売の自由化

2016年4月から完全自由化が始まった

売電制度によって、太陽光発電によって発電した電気は東京電力などの地域の電力会社に販売することができました。売電価格は、基本的に普段の電気を買う場合の価格より、やや高額な価格設定にされています。2016年4月から、一般家庭の消費者は、電力自由化によって電力会社を自由に選ぶことが可能になりましたが、同時に、電力自由化がきっかけとなって、売電する場合もお得になるチャンスが来ています。

太陽光発電の固定買取制度とは?

太陽光発電で作られた電気の販売価格は、固定買取制度と呼ばれる一定期間固定の価格です。これは、10年間決まった価格で電気を販売できる制度です。たとえば、2013年の電気の売電価格は1kWh38円でした。2013年に太陽光発電システムを導入した場合、2023年まで、ずっと固定の1kWh38円で販売することができます。

電力自由化による売電のメリットとは?

電力自由化に伴い、単に電気を買うだけでなく、売電する場合もお得になると言われています。これは、新電力が固定買取価格よりも、高い売電価格で買ってくれる新電力があるためです。固定買取価格よりもプラス1円で買い取ってくれるサービスが有名です。

固定買取価格よりも高く買い取ってもらえないケース

このように、新電力の参入によって、高く電気を買ってもらえるチャンスが訪れましたが、場合によっては高く買い取ってもらえないケースもあります。プラス1円で買い取ってくれるサービスをしている新電力の多くが、固定価格が32円以下の場合はプラス1円の対象にならないと言われています。また、プラス1円買い取りのエリアは制限されているため、全国どこの太陽光発電でも高額買い取りをしてくれるわけではないということです。

新規受付終了も増えてきた

また、プレミアム価格と呼ばれる高額での太陽光発電電気の買い取りも、新規受付終了が増えてきました。これは、FIT買取制度が変更になったためです。電力自由化によって一時は買取サービスの質が向上しましたが、現在でも高額で電気を買い取ってくれる新電力は珍しいです。

もし新電力が倒産してしまっても大丈夫

新電力の新規参入によって気になるのは、倒産した場合ですよね。地域の電力会社よりも安く買い取ってくれるからといって新電力に売電を切り替えたのに、倒産してしまったらどうなってしまうの?と不安に思う方は多いようです。新電力が倒産してしまったら、新しく新電力や地域の電力会社に売電先を切り替えることが可能です。新電力で契約した高単価の販売価格では無くなりますが、売電ができなくなるわけではないので安心しましょう。

太陽光発電に興味がある人はできるだけ早い導入を

このように、電力自由化によって一時は新電力への販売価格は上がりました。しかし、新規受付を終了したり、そもそも固定買取価格は年々下がってきています。太陽光発電システムの導入を検討している方は、できるだけ早い導入をした方がお得だと言えます。固定買取価格は下がってきていますが、太陽光発電システムの初期コストも年々下がってきています。特に、最近の太陽光発電システムは変換効率が高いので効率よく電気を作ることができます。年々電気料金も引き上げられてきているので、導入してしまった方が節電の観点から安心だと言えます。

以上のように電力自由化に伴う新電力の登場により、一時期は太陽光発電システムを持っている家庭にはメリットがありました。現在でも固定買取価格よりも高価買取してくれる新電力はありますが、次第に新規受付終了となる可能性もあります。電力自由化がきっかけとなって、今後の売電に大きなメリットやデメリットがあるのかは、まだ制度やシステム的にはっきりとはわかりません。そのため、随時ニュースをチェックしたり、新電力の買い取り価格をチェックしておくのがおすすめです。これから太陽光発電システムを導入しようと考えている場合は、固定買取価格が年々引き下げられているのでできるだけ早く導入した方がメリットが大きいと言えるでしょう。

私がお届けしました!

ジャンヌ
ライター/エコなものが好き
エコじゃないものと闘う、地球に優しい女性ライター

関連する他の記事

中国電力のクリーンエネルギーに対する取り組みとは
中国電力グループのクリーンエネルギーに対する事業活動についてご紹介しています。 主に隠岐諸島や広島…
電力自由化対象地域でも電力会社を選べないデメリット
電力自由化はその地域に住んでいれば誰でも恩恵を受けられると言う事ではありません。集合住宅の場合がそ…
【電力自由化】2016年秋から始まる北陸電力のキャンペーン
電力自由化後、北陸電力では様々な新規入会キャンペーンを行っています。2016年秋から行われているキャン…
電力自由化後の最注目株!海の自然エネルギー「波力」による発電とは?
電力自由化後、自然エネルギーによる発電が注目を集めるようになったが、その中でも波の力で発電する、波…