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電力自由化に関連してニュースでも取り上げられる発送電分離。
実際にどのようにこれから発送電分離のための法的分離が行われるのかご紹介したいと思います。
難しいようで私たちが毎日電気を使うためにも大事なテーマですからしっかり理解しておきましょう。
文字通り発送電分離とは発電と送電を2つに分けて考えることです。
これまで日本では発電・送電・販売を地域電力会社が独占していました。
それが電力自由化で新たな電力会社が参入することが出来るようになりました。
ただしこれから莫大な資金の必要な発電設備や送電設備をすべて揃えないと消費者に電力を供給できないとなると、新たな企業は電力自由化でも参入が非常に難しくなります。
そこで発電と送電を2つに分け送配電を独立させて考えることで、すべての電力会社全体で一つの送電網を活用する平等な仕組みを構築することができます。
これまで発電・配送電を独占していた地域電力会社をわざわざ分離しなければならないのはなぜでしょうか。
まずそれは、どこの家庭にも電気が安定供給されるためです。
実は日本でも世界大戦前は電力サービスが完全に自由化されていました。
そのため各電力会社が消費者の自宅まで電線を通して配電する必要があり、契約数が少ない地域では契約が拒否されたり、停電時に自宅は電気がないけど隣の家は電気が戻っていたりといった問題も生じていました。
現在では電力は生活の必需品なため、どこの家庭も平等な条件で電気が届くというユニバーサルサービスが大前提です。
そのため今ある地方電力会社が独占している送配電設備を発電設備と分離して新電力会社も含めた全体の送電網とすることで新たな大規模な送配電設備の設置を避けてインフラの安定供給を目指しているのです。
また設置・管理が大変な送配電をまとめて一社が管理するほうが供給コストを下げているという利点もあります。
電力自由化に伴い発送電分離を政府が進めたい理由には送配電の中立性という問題もあります。
現在送配電は政府の管理下のもと、地方電力会社が独占しています。
そうすると中立性が脅かされる可能性があるのです。
例えば
・送配電の使用料を自社以外には高く設定する
・自社に対して電線を優先使用させる
・大規模停電の際など自社と契約している企業・家庭から優先復旧する
といった問題が発生する可能性があるのです。
こうした問題を避けるため法律によってしっかり決めておく「法的分離」がされていく見通しです。
法的分離とは、地方電力会社が所有する送配電設備と部署を新たな一つの会社として切り離すというという方法です。
もともとの地方電力会社が新たな会社の株保有などは認めているので、簡単に言うと送配電会社は地方電力会社の子会社という形になります。
すべての送配電に関連する設備や管理者は新たな独立した会社に所属するので、電力自由化で参入したほかのどの新電力会社も平等に送配電設備を使用することが出来るというわけです。
●電力の安定供給
送配電をすでに実績を持つ地方電力会社から独立させることで、送配電に関してすでにノウハウを持った管理者が送配電設備のメンテナンスを行うことができ、電力の安定供給という面で安心です。
●電気の適正価格での供給
これまで地方電力会社が独占していた発電に関して電力自由化されることで多くの新電力会社が参入して価格競争が起こり、消費者にとって適正な価格で電気を購入することが出来るようになります。
こうしたメリットが考えられますが、逆に注意しなければならないデメリットも存在します。
●中立性
中立性のための法的分離ですが、形的には親会社・子会社という関係のため、やはり中立性 style="margin-bottom:25px".のために政府による管理が欠かせません。
例えば発電・送配電のどちらにも同じ職員が同時に所属することの禁止や、役員の会社間での役職の異動の禁止などルール作りが求められます。
●送電網の管理の難しさ
これまでは自社で発電したものをそのまま送配電するという一本化された仕組みだったので非常にシンプルでした。
ただしこれからは様々な会社が発電した電気の買い取りから小さな会社まで含めると600以上ある電力会社の顧客への送配電、地域全体の電力の需要と供給量を確認しながら管理、と仕事がより複雑になります。
そのためいつでもすべての家庭に安定して電力を供給するために、電力自由化が進む前に入念な準備が必要とされます。