電力自由化における発電と環境問題

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電力自由化を機会に考えたい、発電と環境のお話

2016年の4月に電力自由化が解禁となり、個人で電力会社を選べるようになりました。

消費者にとって電力自由化の主な影響と言えば、やはり電気料金が安くなる可能性がある点でしょう。ご家庭の電気使用状況にマッチした電力会社と電気料金プランを選ぶことで、大幅に電気料金が節約できる可能性があります。

しかしここで、電力自由化を機会にして発電による地球環境への影響をちょっと勉強してみませんか?

今までは発電による地球環境への影響は、個人ではどうしようもない問題でしたが、電力自由化で電力会社を選択できるようになったことでより身近な問題になったと言えるのです。

日本の主な発電方法とは

それではまず、今の日本では主にどのような方法で発電が行なわれているかを見ていきましょう。

■日本の発電方法は主に火力発電

結論から先に申し上げると、日本の発電方法の実に85%以上は火力発電によりまかなわれています。

東日本大震災が起きる2011年までは原子力発電がそのうち20%ほどの割合を占めていましたが、震災を受けて原子量発電の縮小化が進み、2016年現在では、原子力発電所のほとんどが稼働していません。

■火力発電の問題点とは

では、火力発電は地球環境にとってどのような影響をもたらすのでしょうか。

まず、火力発電では石油や石炭などの燃料を燃やす際に大量の二酸化炭素を排出します。

二酸化炭素は全世界的に問題となっている地球温暖化を進めてしまいます。

さらに、火力発電は二酸化炭素の他にも「硫黄酸化物」と「窒素酸化物」という物質を空気中に排出します。

硫黄酸化物は大気の中に含まれてしまうとぜん息などの呼吸器疾患を引き起こす原因になります。

さらに、硫黄酸化物は酸性雨の原因になり、農作物をダメにしてしまう原因にもなるのです。

窒素酸化物も大気中に含まれることで人間の喉などの粘膜を傷つけ、気管支炎などの病気を引き起こしてしまいます。

■火力発電の燃料は有限

さらに付け加えるならば、火力発電に使われる燃料は「化石燃料」と呼ばれており、地球上で確保できる量に限りがあります。

化石燃料は生成されるまでに途方もない歳月がかかるので、このままのスピードで使用し続ければいつか枯渇するのは目に見えているのです。

再生可能エネルギーによる発電

日本の発電方法は、主に火力発電にてまかなわれていると説明させていただきました。

そして、火力発電には環境破壊という大きなデメリットがあることも知っていただけたかと思います。

では、次は地球環境に優しい発電方法を見ていきましょう。

■再生可能エネルギーとは

これからご紹介させていただく発電方法は、すべて再生可能エネルギーを使用しています。

再生可能エネルギーとは、その名の通りいくらでも再生して使用できるエネルギーのことです。

化石燃料のように有限ではなく、環境も破壊しないので、とても地球に優しいエネルギーなのです。

■太陽光発電

今、急速に普及が進んでいる太陽光発電は、太陽の光を太陽電池と呼ばれる装置で受けて、発電をする方法です。

再生可能エネルギーの中でも最も発電効率の良い発電方法として注目されています。

■風力発電

風力発電は、風の力でプロペラのような装置を回し、その力で発電する方法です。

当然、風の力はいくら使っても減らないので、地球環境に影響はありません。

■地熱発電

地熱発電とは、地中にこもる熱を利用して水を蒸発させ、その蒸気のパワーで発電する方法です。

日本は世界でも有数の地熱資源を保有している国ですので、今後積極的に地熱資源を利用した地熱発電を行っていこうという動きがあります。

再生可能エネルギーはその他にも水力、バイオマス燃料などがあげられます。

あなたにもできる地球環境への配慮

発電方法とその環境への影響について知っていただいた上で、それが今回の電力自由化と、どう関係してくるのかという点についてご説明いたします。

■電力会社の発電方法にも注目してみよう

電力自由化によって、自分が契約する電力会社を自由に選べるようになりました。

そこで是非注目していただきたいのが、その電力会社の発電方法です。

具体的には、上記に挙げたような再生可能エネルギーによる発電方法を推進している会社なのかどうかに注目してみてください。

再生可能エネルギーによる発電に積極的な電力会社と契約することで、あなたも地球環境を良くする為の活動をしていることにもつながるのではないでしょうか。

■環境重視の電力会社が参入する可能性も

現在はまだそう多くはありませんが、これから環境配慮に特化した電力会社が出てくる可能性があります。

例えば、ちょっと電気料金は割高だけど、再生可能エネルギーによる発電量の割合が高い電力を使うことができる、といった具合です。

是非、今ある電力会社だけでなく、今後新しく参入してくる電力会社にも注目していただきたいと思います。

まとめ

電力自由化が始まり、どの電力会社と契約するかを自分で決められるようになりました。

そして、電気というのはその発電の過程において、地球の環境を破壊してしまう可能性があるエネルギーなのです。

地球の環境問題は、今後もその深刻さを増してくるでしょう。

そうした状況の中で、今後は地球環境への配慮に特化した電力会社が発足、電気小売に参入する可能性があります。

地球の環境を守ることは、あなただけでなく、これから生まれてくる子供たちにとってもとても大切なことです。

是非電力自由化を機会に、発電と地球環境との関係性について考えてみていただきたいと思います。

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笹葉
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