電力自由化の新しい料金プランの特性を知ろう
電力自由化開始以後に各電力会社が打ち出している新しい電気料金プランには、大きく分けて3つのパターンに分けられます。
まずはそのパターンについて把握し、「自分の家庭にあった電力自由化プランはどういうプランなのだろう?」ということについて考える必要があります。
新電力会社による新しい電気料金プランとは、以下のようなものです。
「電力量で割引になるタイプ」
これは電力自由化云々は関係なく電気料金の特性なのですが、電気を使えば使うほとお得になる、というタイプの料金体系は少なく、使う電力量が上がっていくほど、単価も上がっていく仕組みになっているものがほとんどです。
ですから、逆に考えれば使用する電力量が比較的少ない方はこのようなタイプを選ぶとお得になる可能性が高いと言えます。
「時間帯や季節で割引になるタイプ」
例えば、6月から9月までを夏と捉えて、その時期のお昼(10時〜18時くらいまで)の時間帯だけ電気料金単価が高く設定されており、逆にそれ以外の時間帯は電気料金単価が低く設定されている、という場合が多く見られます。
1日の時間帯を「夜間」「朝・夕方」「昼」と三段階設定しているタイプも多くみられ、日々の生活サイクルがある程度定まっており、それが数年先までほぼ変わらないという場合はこうした電気料金タイプを選ぶことによるお得になる可能性が高くなります。
「ポイントによるキックバックがあるタイプ」
このタイプを選ぶ場合、そのポイントについてどれだけ有効活用できるのかが最大の鍵になってきます。
せっかくポイントを付与してもらったのに、ポイントをただ貯めているだけというだけでは宝の持ちぐされでお得になったとは言えません。
ポイントによってはある一定期間が過ぎると失効されてしまうようなものもあるので、このタイプの電気料金に申し込むときはそのポイントをどれだけ有効活用できるのかということについてきちんと試算してから申し込むようにしましょう。
「セットで申し込むことにより割引になるタイプ」
異業種から電気小売に参入してきた企業が打ち出している電気料金タイプの多くがこのタイプです。
例えば、ガス料金や携帯電話使用料金など、継続的にお金を支払う特性のあるものに電気料金も合算して申し込むことで、かなり電気料金に関して有利になるというタイプです。
こうしたタイプは電気料金がかなり低くなっている場合もありますので、お得になる可能性も高いプランと言えるでしょう。あの有名な携帯会社のCMなどでも電力自由化とのセット割をピーアールしていますね
ただし、こうしたプランは契約年数があらかじめ決められているパターンも多く、その契約年数以内に解約を申し出ると違約金が発生してしまう場合があります。
違約金はそこまで高額でない場合が多いですが、コツコツ安くしてきた電気料金がその違約金で相殺されてしまうなんていうこと可能性がありますので、契約前には慎重に金銭に関する記述を確認するようにしましょう。
「各種サービスが付加されているタイプ」
これも電力自由化が始まって様々な業種の企業が参入出来たことの恩恵ですね。例えば、トイレのつまりや排水口のつまりなどの水まわりのトラブルについて、初動の応急処置のみ無料で対応するというようなものがついている場合があります。
他には、鍵が開かなくなってしまった場合の初動処置や、お子様やお年寄りが家にいるかどうかの確認を行う、在宅確認を行うなんていうサービスがついている場合もあります。
これらのサービスがついたプランに申し込む場合、きちんとそのサービスについて有効利用ができるどうかをよく考える必要があります。
備えとしては良いのですが、あまり利用する頻度が高くないのであればそもそも必要ないという可能性が高いので、こちらも十分吟味してからプランを選ぶようにしましょう。
「期間限定キャンペーンでお得になるプラン」
その中には、期間限定のキャンペーン中にある電気料金プランに申し込むことによって特典が得られるという場合があります。
例えば、楽天の運営する「まちでんき」では、指定された電気料金プランに申し込むことで、5,000円相当のポイントがもらえるというキャンペーンを実施しています。
5,000円というのは金額としてはかなり大きいので、十分切り替え検討の候補に入るものだと言えるでしょう。
電気料金をきちんと試算する
今お使いの電力会社から届く検針票にはその月に使った電力量などが詳細に記されているので、それを元に、切り替えを検討している電気料金プランに当てはめて実際に切り替えたあとの電気料金を試算していきます。
この時、電気料金はかなり季節変動が激しいので、できれば一年を通じた検針票が手元にあると良いでしょう。
さらに、試算する場合は月々の電気料金だけでなく、初回に受け取れるポイントやキャッシュバックなども忘れずに計算に入れるようにします。
月々の電気料金はほとんど同じでも、初回に受け取れるポイントを月々に分配すればお得になるという可能性もあるので、そういった視点からも試算するようにします。
またこの試算には、契約違約金も加味しておくようにしましょう。
契約違約金がかかる時期に切り替えをしてしまった場合、初回で得た特典や月々の割引料金よりも違約金の方が高くついてしまうという可能性もゼロではありません。
違約金に関しては新電力会社の電気料金プランのページなどでも気がつきにくい位置に記載されていたりするので、必ず申し込み前に電力会社担当者に確認をしておくようにしましょう。
電力自由化と違約金に関するお話は次の記事で解説しますので気になる方は引き続きお付き合いください。