電気代への影響は?電力自由化によるメリットとデメリット
電力自由化によるメリット
■電気代が安くなる
消費者にとってもっともわかりやすい効果が、電気代の値下がりです。自分に合った電力会社やプランを選ぶことで、現在の料金よりも安くなる場合がほとんどです。電力会社によってはセット割を導入していたり、特定のポイントがたまるなどの付加価値もねらえます。
■電力会社を選択できる
これまでは住んでいる地域によって、使える電力会社は決まっていました。プランなどを気にすることもなく、ただ何となく電気代を支払っていた人も多いはず。
しかし、電力自由化によって契約できる電力会社の選択肢は大幅に広がりました。各社では独自のプランを用意しており、自分の生活スタイルに合ったプランを選択することができるようになったのです。住んでいる地域によって選べる範囲は変わってくるものの、選びようが無かった今までと比べると大きな変化だと言えます。
■業界全体のレベルアップになる
電力自由化によって新規参入事業者が増え、2016年7月現在で300社以上にもなっています。競争が激しくなるほど、各社はこぞって価格を下げようとしたり、サービスを充実させようとします。つまり、電力自由化そのものが、業界全体のレベルの向上につながると言えるでしょう。
■省エネがすすむ
新規参入企業では、オール電化の家庭向けのプランを打ち出しているところも多くなっています。たとえば東京電力の「スマートライフプラン」の場合、深夜1時~早朝6時までの単価が割安になります。このように時間帯別に電気代の単価が安くなるプランを利用することで、電気代が安くなるだけではなく結果的に省エネにもつながるのです。
■エネルギーを選べる
電力自由化によって、従来の発電方法に加え「再生可能エネルギー」を選ぶことも可能になりました。再生可能エネルギーとは、太陽光発電・風力発電・バイオマス発電などのクリーンなエネルギーのことです。
各社の発電方法の内訳は「電源構成」で見ることができます。たとえば関東の場合ではワタミファーム&エナジーが30%、九州エリアでは新出光が9.5%を太陽光発電でまかなっていることがわかります。まだ規模の小さい企業が多くコスト面の問題もあるため、まだまだメインの供給源となるには至っていませんが、今後に大きな期待が寄せられている分野です。
電力自由化によるデメリット
■自分で調べて契約する必要がある
電力自由化後も、これまでの電力会社・これまでの契約のままで電気を使い続けることは可能です。実際に電力自由化から1ヶ月後の調査では、電力会社を変更した家庭は全体の7%にとどまっています。
新規参入事業者が増え選択肢が広がるほど、消費者にとってはサービスが複雑化し敷居が高くなってしまいます。サービスの比較サイトも多数あるものの、実際に詳しく調べて切り替え手続きまで至る人はほんのわずかなのです。
■縛りができたり、違約金がかかることも
電力会社やプランによっては、1~2年間の契約で割引になるかわりに、途中で解約すると違約金が発生する場合があります。この最低利用期間は俗に「2年縛り」などと言われます。
このほか短期間での解約や、セット割を利用していて解約する場合に違約金がかかってくることもあります。期間や料金は電力会社によって異なりますので、契約前にきちんとチェックすることを推奨しています。
■プランによっては値段が上がる?
そもそも電気代とは、電力量単価×月々の電気使用量の金額と基本料金を合計したもの。基本料金の設定や単価は電力会社によって異なります。そのため、生活スタイルやプランによっては、契約変更で電気代が上がってしまう可能性があります。特に一人暮らしで電気使用量が少ない場合は、損になってしまうことも。電力会社やプランを選ぶ際は慎重に検討する必要があります。
■電気代が高騰する恐れも
アメリカ、ドイツ、イギリスなどすでに電力自由化を実践している国では、自由化後に電気代が上がるケースが多くなっています。原因は燃料価格の高騰や、思ったほどサービスの競争が起こらず独占化が進んでしまったことなどが挙げられます。
これと同じ現象が日本でも起こるのではないか、と懸念の声が上がっているのも事実です。これまでは電気代が上がりすぎないよう国が規制をしていましたが、自由化によってなくなりました。電力会社によって、燃料費の高騰や天候・災害の影響で電気代が上がる可能性は十分にありえるのです。
メリットとデメリットを踏まえて選びたい
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