電力自由化における切り替え後の災害時対応

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電力自由化後はもしもの災害のときにも本当に安心?

新電力会社にすると災害時の停電復旧が遅くなるのではないか、そんな消費者の心配をよく耳にします。

そこで今回の電力自由化でも災害時の停電復旧などが問題にならない理由を電力が自宅に届くまでの仕組みを見ながら解説します。

多くの人が心配する電力自由化後の災害時の対応

電力自由化についての国民の意識調査によると、全体の約23%の人が停電など災害時の対応が遅れる事を心配しています。

大きな地震や毎年の台風の時に停電したら電気がなかなか戻ってこないとしたら、心配で電力会社なんて乗り換えられませんよね。

では、電力自由化で災害時の対応は遅くなったりするのでしょうか。

■電力自由化でも心配のない災害時の対応

結論から言えば、災害時の対応に関しては電力自由化で電力会社を乗り換えても今と変わりません。

わかりやすく安心な理由を見ていきましょう。電力自由化でも災害時の対応が変わらない理由を知るために、今の電気が私たちの家に届くまでの3つのステップに注目しましょう。

■電気が家に来るまでの3つのステップ

電気が私たちの家に届くまでには3つのステップがあります。

1つ目は必要な電気を作り出す「発電」

2つ目は電気を各地域に送るための「送配電」

3つ目は電気を各家庭に売る「小売」です。

2016年4月から始まった電力自由化では3つ目の「小売」が自由化されました。

各企業は自社で発電した電気や、卸売価格で購入したした電気を各家庭に小売りすることで利益を得ています。

災害時に大きな被害を受けるのは1つ目の「発電」と「送配電」です。

そしてこの2つで問題が発生した時には問題をすぐに解決するシステムがしっかり取られています。

災害時にも心配がいらない理由

まずわかりやすい断線など2つ目の「送配電」に問題が生じるケースについて解説します。

■電力自由化でも送配電会社は変わらない

今回の電力自由化で「小売」について自由化されました。

それでも「送配電」に関しては電力自由化での変化はありません。

引き続き従来の事業者が送配電の管理を担当しています。

例えば断線などによって停電が生じた場合、送配電を担当する事業者には中立性が求められているため、東電のままのほうが停電しにくくて復旧が早いということはありません。

そのため電力自由化で乗り換えても復旧スピードは今と変わらないのです。

では次に「発電」で問題が起こった場合について解説します。

災害時にも安心な「バックアップ契約」

新電力会社の中には自社で太陽光や風力などの発電設備をもつところもあります。

有事の際にはそうした設備が故障して電気を作れなくなり「発電」に問題が生じる可能性があります。

それでも設備が故障したためにその電力会社と契約している家だけ停電してしまうということはありません。

新電力会社はすべてバックアップ契約と呼ばれるシステムに加入しています。

バックアップ契約とは、災害時など発電設備に何らかの問題が生じて発電ができなくなった場合、送配電を担当している事業者が代わりに送る電気の量を調整してくれるというシステムです。

このシステムがあるので電力自由化で乗り換えても、災害時に自分の家だけ停電ということにはなりません。

また災害からは少しズレますが、万が一契約している新電力会社が倒産してしまった場合も同じバックアップ契約の制度で送電が続くため、停電などの心配はありません。

■問題発生時には契約している新電力会社に問い合わせ

ここまでで電力自由化で乗り換えても災害時の対応は変わらないことがわかりました。

ですが、電気の「小売」は新電力会社、「送配電」は従来の事業所と少し複雑で万が一、停電などの際はどこに連絡したらいいのでしょうか。

連絡は常に変更後の変更後の新電力会社に問い合わせましょう。

新電力会社は送配電事業所と情報を共有しているので、停電時に原因の説明など送配電に関することでも問い合わせに対応可能です。

また停電が原因不明な場合でも、送配電事業所や電気工事業者などの連絡先を紹介するすることになっています。

電力自由化で災害時にもメリット!?

電力自由化でも災害時に多くの方が心配しているデメリットは特に無いことがわかりました。

逆に電力自由化が普及していくことで災害時にはメリットがあります。

■より柔軟な計画停電

大規模災害の後など電力不足による計画停電が予定されることもあります。

そのときにこれまで問題となったのが、病院や行政、交通機関などの電力までストップする点です。

しかし電力自由化が普及するにつれてより柔軟に対応することが可能になります。

電力自由化で電力会社を乗り換えた場合、新しくこれまでのアナログメーターの代わりにスマートメーターが取り付けられます。

このスマートメーターには通信機能があり、遠隔で送電のON/OFFを切り替えることができます。

そこで計画停電が必要な状況になった際にも柔軟に本当に電気が必要な場所で送電を維持し、他の場所では計画停電に協力してもらうなど、柔軟な計画がたてられるようになるのです。

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ピカ丸
専属ライター/オールラウンダー
我が家のPCとゲーム機が電気を食べまくっていると発覚後、
ゴミ場に連れていかれないためになんとかPCとゲーム機の電力消費を抑えようと奮闘中。
好きな家電 →PC/ゲーム機全般/こたつ

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