電力自由化後の各地域電力会社の変化
皆さんのお住まいの地域にはそれぞれ地域名を冠した電力会社がありますよね。 北海道電力、東北電力などがそれにあたります。
そういった電力会社は電力自由化に伴い、これまで通りの経営体制のままではいられない状況下におかれるようになりました。
どのような会社に体質を変化して行こうと言うのか、新しい時代の公益事業者となるのか、そのための戦略をどのように打ち出していくのか、大手電力の動向が注目されています。
ここでは、電力大手の現状と電力自由化で新電力が新価格、新サービスプランを打ち出している中、どのような新しいプランで、これまでの顧客を維持して行こうとしているのか、追ってみました。
業界8位、本州との間の送電線の増強が課題「北海道電力」
北海道地域に本州とほぼ独立した送電系統を持つ、業界8位の電力会社です。
産炭地だったこともあり、発電電力量に占める石炭火力の比率は高いのですが、電力自由化が施行された現在では、割高な、国内炭ではなく、安い海外炭にシフトしているようです。
特徴として挙げられる料金システムとしては「冬ピーク」の会社で、最大電力需要が生まれる会社という事でしょう。
設備構成は、石炭火力を主体に、ベースロードの、原子力や、水力、ピークロードの石油火力を保有しています。
販売電力量は、商業用と、家庭用が多く、大口需要家が少ないと言うことです。 原子力については、泊1号~3号機の 3基があります。
北海電力の今後の課題は風力発電を始めとした再生可能エネ
震災前には、総発電量の4割を占めていました、原子力の再稼働がポイントでしょう。そして大きな課題と言えば、再生可能エネルギーの活用と言えそうです。北海道には、600万kwにも及ぶ風力発電の適地がありますが、送電系統や需要、調整電源の制約により、36万kwまでに制約していることです。
そうした風力発電の開発のためにも、本州との間の送電網の増強が望まれるとともに、電力自由化で風力・水力・太陽光発電といったクリーンエネルギーへの関心が高まっているので、発電方法そのものへの対応も大事な課題ですね。
北海道電力の新サービスプラン
北海道電力が電力自由化で打ち出してきたプランは、「eタイム3(Sプラン)」の一つだけです。これは、1日を3つの時間帯(朝晩・午後・夜間)に分けた料金設定です。
朝晩と夜間が少々割安なので、この時間帯に電気を使うようにすれば、これまでよりも電気代が浮くと言うシステムです。
国内で最大の供給区区域を持つ電力会社「東北電力」
設備は、原子力、石炭火力、LNG火力、石油火力、水力など全ての発電設備をバランスよく保存しております。
特徴の一つとして、いち早く、本格的なガス事業を展開してきたことです。
パイプラインや、タンクローリーで、供給区域内のガス会社に、天然ガスを供給しています。
電力自由化が始まった今後は、地熱発電に力を入れていく方針です。
世界最大級の石炭火力発電所を保有する「中部電力」
電力自由化の対応として、新電力「ダイヤモンドパワー」を買収し、エネルギーサービスの子会社を申請するなど、総合エネルギー企業として全国展開を目指していこうとしています。
多彩な8種の新料金メニュー 中部電力
基本的な料金は電力自由化が始まる前と同様のこれまで通りですが、カテエネポイントが使える「ポイントプラン」「おとくプラン」のほか、トラブル時の駆けつけサービスが電気料金とセットになった「暮らしサポートセット」等があります。原子力の依存度が低く、震災時の影響は少ない 「中国電力」
原子力は出力の小さい「島根原子力1号と2号」を保有しています。
特徴としては、大口の産業用が多いことです。
しかしこの地域は自家発電設備を持つ企業も多く、発電電力量の3割となっています
最近は、こうした工場を対象に、ガス供給や、エネルギーソリューショビジネスにも積極的に取り組んでいます。
電力自由化開始後の最大の課題は、経営の自主性と言えそうです。
これまで供給地域の顧客よりも、関西電力など中央の電力会社に向いた経営が目立っていました。
そのため中国地方にふさわしい事業展開が、出来ていないケースがありました。 こうした点を改め、新たなサービスを開発して行くとしています。
人数や、暮らし方で、細かく細分化した新プラン 中国電力
中国電力も多岐に渡ったプランを打ち出しています。少しでも安くしたい向きには「スマートコース」同一料金ずっと使える「シンプルコース」、夜間休日料金が安くなる「ナイトホリデーコース」、オール電化向けの「電化sty―eコース」等があります。
どの時間帯に電気を多く使うか、家族は何人なのかなどで、選択肢が違って来るので、シュミレーションしてみても面白いプランです。