電力自由化で使われる「電力パケット」とはどんな意味?
電力自由化について色々と調べていくうちに、「電力パケット」という言葉が気になったことはありませんか?
「パケット」という言葉は、携帯電話の料金システムみたいですよね。
実際、電力パケットは省エネルギー化を実現させる道具として注目されているシステムです。
今回は電力自由化で使われる電力パケットについて詳しく説明していきます。
電力自由化の「電力パケット」とは?
通常、インターネット上では情報のパケットが送られ、また受信します。
この仕組と同じように、電力自由化では、送電をパケット化することで、電気の利用者と供給者を特定することができるようになっています。
簡単に説明すると、電力にそれぞれ名前を付け、名前の付けられた電気が特定の利用者に届けられる仕組みとなっています。
携帯電話の料金プランで、「パケット定額サービス」がありますが、電力自由化で使用される電力パケットはパケット定額サービスのことではありませんので注意しましょう。
現在の電力自由化の仕組みとは?
これが実現すると、どのようなことが変わるのでしょうか?
例えば、現在の電力自由化では、たとえ新電力から電気を購入したとしても、私達消費者のもとに届けられてくる電気は、東京電力や関西電力などの大手電力会社の送電網から送られてきます。
この送電網には、大手電力会社の電力はもちろん、新電力の発電所で発電された電力も流れています。
電力自由化により新電力と契約する家庭は、新たにスマートメーターを設置する必要がありますが、スマートメーターで電力をどれだけ使用しているか把握することで、どの電力会社がどれくらいの電力をどの家庭に届けているかがわかります。
■電力パケットが実現するとどうなる?
電力パケットが実現すると、契約した電力会社の電力を、ピンポイントで契約者の家庭に送ることができます。
現在の電力自由化では、実際に届く電力は、複数の電力会社によって作られた電力です。
しかし、パケットが実現すると、例えばA社と契約している家庭は、A社の作った電気を直接家庭に届けてもらうことができるようになります。
ただし、これはとても高度なシステムであるので、いくつか課題が残されています。
電力パケットの課題とは?
スマートメーターは無料で導入することができ、本格的に普及が始まっています。
しかし、まだまだ普及期であり、全ての家庭に導入されているわけではありません。
新電力と契約した方はスマートメーターを設置しなければなりませんが、電力自由化前の料金プランのままにしている方は、まだスマートメーターを設置していないという方も多いのではないでしょうか?
全国で最もスマートメーターの普及率が高いと言われている関西電力エリアでも、2016年10月の時点で、未だに5割程度です。
東京電力エリアでは、工場とのトラブルなどで、大幅にスマートメーターの設置が遅れています。
実現させるためにはスマートメーターを普及させる必要があるので、まだまだ実現は遠いと言えるでしょう。
■新たなインフラの整備が必要となる
また、電力パケットの実現には、新たなインフラの整備も必要となります。
インターネットと同じように、コンピューターウイルスに感染する可能性もあるので、ウイルス対策、セキュリティー対策などが必要となってきます。
このように、パケットをインフラとして安全に実現させるためには、まだまだ課題が多いと言えます。また、コストについてもデメリットが心配されています。
■電力パケットのデメリットとは?
電力パケットが実現したとしても、コストに関するデメリットが心配されています。
現在の電力自由化では、既存の送電網を使っているので大規模な工事は必要ありませんが、パケットを実現させるためには、それに対応した送電網に変える必要があります。
また、現在の技術では、発電所から遠くの家庭に電力を届ける場合は、近くの家庭に届けるよりもコストがかかります。
そのため、あらゆる面でコストがかかるのではないかと懸念されています。
電力パケットなら全て自分で選んだ電力を利用可能
パケットが実現されれば、直接自分の選んだ電力会社が発電した電気を使えるようになるので、完全な電力自由化になったといえるでしょう。
しかし、実現にはいくつか課題が残っており、たとえ実現できた場合でも、多大なコストがかかると予想されています。
そのため、電力自由化は始まりましたが、すぐに実現になる可能性はとても低いと考えられます。
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