電力自由化でどれくらいの人が電力会社を切り替えているの?
電力自由化が4月に始まって早くも数ヶ月が経ちましたが、どれくらいの人がすでに電力会社の切り替えを行っているのか。
まだあまり周りの人で電力自由化で切り替えてみたという話をしてる人を見たことないのではないでしょうか?
正直、私の周辺でもとにかく新しいもの好きな人が一人やっているだけです。
世間一般的にはどれくらいいるのか現状の数字データを見てみましょう。
2016年8月31日時点で167万5100件
167万5100件と聞くとかなり多い件数のように聞こえますよね。
しかし、日本全国の一般家庭における契約口数は約6,253万件と言われているので、すでに切り替えが行われた件数は全体の約2.67%程度に過ぎないのです。
つまり、まだ多くの家庭が電力会社の切り替えを行っていないということになります。
では、なぜ電力自由化から数ヶ月経った今でも、切り替え件数がこのような少ない数値に留まっているのでしょうか。
流行らないのは、本当にお得になるの?という疑問のせい
全体の約2.67%程度の家庭しか切り替えを行っていないのですから、近所の知り合いの方などから「お得になった!」という話を聞く機会もまだ少ないはずで、その疑問が生まれるのも当然ですよね。
というわけで今回のページでは、電力自由化で本当に電気代が安くなるのか?という部分についても詳しく解説していこうと思います。
そもそも電気料金の仕組みって?
なぜなら、この仕組みを知らないと実際に切り替えを行ってお得になるのかどうかの判断もつきにくいからです。
電気料金計算の計算式
ではまず、電気料金計算の計算式から見ていきましょう
電気料金=基本料金+(電力料金単価×使用量±燃料費調整単価×使用量)+(再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×使用量)
※この部分を画像にできると分かりやすいと思います。
と、上記のような計算式になっています。
ちょっと複雑なので、各項目を丁寧にみていきましょう。
基本料金
これは、電気を契約すると必ず発生する基本料金のことです。携帯電話の契約などでも、「基本料金」と書かれてた項目があるかと思います。あれと同じです。
基本料金の値段は電気料金プランごとに異なります。
そしてその多くが、アンペア数が増えるごとに高い金額になっていきます。
今後、電力会社の電気料金プランが色々と出てくるにつれて、携帯電話と同じく「○年契約で基本料金無料!」というような電気料金プランも出てくるかもしれませんね。
電力料金単価×使用量
これは、電気のkWhごとの単価と、実際に使用した電気量を掛け合わせたものです。
分かりやすくするために少々極端な例えをしますと、電力単価が1kWhあたり20円の電気料金プランで、ひと月に200kWh使用したとすると、この部分の料金は4,000円になるということです。
燃料費調整単価×使用量
ここが少し難しい所だと思います。
燃料費調整単価とは、「燃料費調整制度」という制度のもとに定められたものです。
現在、日本の電力はその多くが火力発電によって賄われています。
そして、火力発電には石油、石炭、天然ガスなどの燃料が必要なのですが、日本はそのほとんどを輸入に頼っています。
つまり、これらの燃料の輸入価格が上がれば、それだけ発電に関するコストは大きくなってくるのです。逆に、輸入価格が下がれば、それだけコストは減ります。
その、燃料の輸入に関する金額の増減を、電気料金に反映させる仕組みが「燃料費調整制度」なのです。
燃料費調整単価は、燃料における三ヶ月間の貿易統計価格の平均で決められています。
つまり、火力発電の燃料を輸出している諸外国がなんらかの理由で燃料の価格を高くした場合、私たちの電気料金もそれに伴い高くなるのです。
逆に、燃料の価格が安くなれば、それだけ電気料金からも差し引かれ、電気料金全体が安くなるのです。
再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×使用量
「再生可能エネルギー発電促進賦課金」こちらも、初見かつなんて読むのかさえ分からないレベルの名称ですね。(はつでんそくしん ふかきんと読みます)
現在、日本の主な発電方法は、火力発電です。そして、火力発電には石油や石炭、天然ガスといったいわゆる「化石燃料」が使われています。
この化石燃料ですが、長い年月をかけて出来たものを、燃料が発見されてから世界中でどんどん消費し続けている為、いずれ枯渇するとされています。
そういった地球の未来を想定した上で、現在日本では、太陽光や水力、風力、地熱、バイオマスといった、理論上いつまでも使う事ができる再生可能エネルギーによる発電方法の推進を進めています。
そして、電力会社はこれらの再生可能エネルギーで作られた電気を一定量以上買い取ることが義務付けられています。
そして、その買取にかかった費用が、「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価」として私たちの支払う電気料金に含まれているのです。
このように、燃料費調整単価や、再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は、私たち個人ではコントロールすることができないものです。
つまり、電気料金について私たちが注目するべきは「基本料金」と「電力料金単価」であることを頭に入れておいてください。