電力切り替えによる給付金

原子力発電所などの設備の周辺にある自治体や、そこに住む住人や企業に対して国から支払われる「原子力立地給付金」。電力自由化が始まり、今までの電力会社から新電力会社へ乗り換えた場合、給付金はどうなるのでしょうか？こちらではそんな電力自由化と原子力立地給付金の関係についてご紹介します。

■原子力立地給付金とは 原子力立地給付金は、原子力発電所やその関連施設がある自治体や、周辺自治体の企業や住人に対して支払われる交付金です。原子力発電所は万が一事故が起きた際に周辺地域に多大な影響がでる恐れがあることから、設備を作る際に周辺の自治体から理解と協力を得る必要があります。そのために周辺の自治体の電気料金を割り引くという名目で、現金が振り込まれます。言ってしまえば「お金を払うので、近くに原子力発電所（とその他設備）作らせて（置かせて）ね」という感じでしょうか。平成26年度は15道県、61市町村に交付されています。 ■給付金はどこからもらえるの？ 原子力立地給付金は、国から道県を通じ、電源地域振興センターという財団法人が交付業務を請け負っています。この電源地域振興センターが各電力会社を通じて各家庭や企業に戸別支給をしています。給付される金額は全ての給付先で一定額というわけではなく、原子炉の数が多く発電能力が大きい発電所などの周辺は高め、小さめの発電所の周辺は少し低めなど、施設の規模や周辺の状況を反映した金額になっています。

■電力自由化後でも給付金はもらえる 電力自由化で今まで契約していた電力会社から新規参入してきた新電力会社へ乗り換えたとしても、原子力立地給付金はもらい続けることができます。原子力立地給付金は、その名の通り立地に対して支払われるお金なので、電力自由化に伴って今までの電力会社から新電力に契約を変更したとしても問題ありません。 ■基本的に手続きは必要なし 電力自由化に伴い電力供給を新電力を変えた場合でも、基本的には特にどこかへ原子力立地給付金についての手続きを行う必要はありません。今現在給付金を受け取っている方は、新電力会社に給付金を受け取っている旨を申し出る必要もありません。ただし、必要に応じて契約した新電力会社と電源地域振興センターとで顧客情報を共有することはあります。

■原子力立地給付金減額支援助成金とは 原子力立地給付金減額支援助成金とは、自治体に交付される原子力立地給付金が施設の縮小や原子炉の廃炉などに伴って給付金額を減額するに当たり、非課税世帯へ交付される助成金です。給付金を受けている住民が、生活保護受給者や未成年、障害者、寡婦、所得が一定額以下などの非課税の条件を満たす場合、助成を受けることができます。受給には毎年申請が必要になります。 ■電力自由化で契約先を変更した場合 電力自由化後、今までの電力会社から新電力会社に電気契約を変更した場合は、申請に必要な書類が異なります。元々はその地域の電力会社が給付金の交付を担当していましたが、契約を変更したことで今までの電力会社から電源地域振興センターに交付担当が変わるためです。申請に必要な書類や申請時期などの詳細は、お住まいの自治体のホームページや、自治体からの広報誌などに記載されていますので確認してください。

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