電力自由化で新電力が登場!乗り換えで地域格差は解消できる?
電力自由化が開始されて、新電力を含む多様な電力会社へのプラン乗り換えが可能になりました。電力自由化の前は地域で決められた電力会社としか契約できなかったのですが、実は電力会社は地域によって大きな電気料金の格差があったのをご存知でしょうか。地域格差を知らずに、電力会社はだいたい同じ位の電気料金設定だと思っていた方は、大きな損をしているかもしれません。電力自由化によって、住む地域に関わらず新電力や、安いプランに乗り換える事が容易になりました。今も電力自由化前と変わらない電力会社を利用している方は、地域格差を把握した上で新電力などの安いプランに乗り換えていきましょう!
最大で2,000円以上も違う?電力自由化前の地域格差
電力自由化以前に電気料金の地域格差が存在していた理由としては、燃料費や基本料金の違いなどが挙げられます。
大手の電力会社の中で電気料金が安いと言われているのは北陸電力です。その理由は水力発電の割合が他社の約3倍だという所にあります。自然エネルギーを多く使っているので安いという事ですね。また、北陸電力は、電力自由化後も、「電気料金を安く抑えることができる」という最大のメリットを武器に、夜間の電気利用が割安になる「エルフナイト」プランなどを提供しています。
その一方、電気料金が高いと言われる電力会社には、北海道電力が挙げられます。なぜこのような地域格差が生まれたかという原因を調査してみると、泊原子力発電所が稼働停止した事により、火力発電所の稼働率が増えた事が問題だったようです。北陸電力と北海道電力がどちらも月300kWhを30Aで使用し、一般的な「従量電灯プラン」を使用した場合、北陸電力が月2,189円もお得という結果が出ます。
どうでしょうか。電気料金の地域格差は思ったよりも大きいという事を知っていただき、プラン乗り換えへの関心が増したでしょうか。
地域格差の謎は発電所との距離にもあった!
東京電力は、北海道電力と並び、電気料金が高い電力会社の1つです。その理由の1つに発電所の位置の問題があります。東京電力の発電所は千葉、神奈川、茨城、福島などの東京都外にあります。発電所と電力供給先の距離が離れるほど、電源設備費用がかかってしまいます。電力自由化以降、関東は最も多くの新電力サービスが提供される地域となれました。もし、東京電力の電気料金を他の地域と比較して高いと感じたなら、新電力への乗り換えも選択肢に入れるべきでしょう。電力自由化以降の乗り換えプラン数の地域格差
結論を言うと、電力自由化以降も、地域格差は存在します。しかしそれは、電力自由化以前にあったような電力価格の格差ではなく、新電力などによるプラン数の格差です。前述のように、関東・中部といった地域には多くの新電力企業が参入しており、各企業のプラン案の中から、自分に適したものに乗り換える事が出来ます。一方、北陸や沖縄といった地域は新電力の参入が少ないです。 この様に、電力自由化で新電力が登場したからこそ生まれた地域格差が新しく生まれ始めてもいます。乗り換えの際には新電力だけでなく既存の電力会社もチェック!
電力自由化以降の電力乗り換え競争は、新電力だけでなく、既存の電力会社も他地域で参入し始めてから激化しています。2016年3月には、北陸電力、中国電力が首都エリアでの家庭向け電力市場に参入し、それぞれ「北陸かがやき契約」、「ぐっとずっと。プラン シンプルコース」というプランを提供しています。東京電力の一般的なプラン「従量電灯B」が、使用電力が①120kWh未満②120kWh以上300kWh未満③300kwh以上の3段階で電気料金が変化するのに対し、北陸かがやき契約は400kwh以上を入れた4段階で電気料金が変化し、設定された区分中では、東京電力よりも安値となっております。また、中国電力のプラン「ぐっとずっと。プラン シンプルコース」は、時間帯によって基本料金と単価の変動がないというものであり、時間を気にせず電気を使いたいという人や電気の使用量が多いというプランです。
こうして見ると、既存の電力会社も新電力と同様、新しい試みを行っている事がわかります。
地域格差を知ったから、すぐ新電力にとびつくのではなく、こうした大手電力会社の新プランもチェックしてみましょう。
電力自由化で新旧電力企業が競争!乗り換えの際は先入観をなくそう
電気料金が安い事で有名だった北陸電力が「北陸かがやき契約」というプランを東京で提供しているという事を、電力自由化以降の新しい情報を知らない人が聞けば、「なんで地方電力が東京でプランを提供しているの?」と思うでしょう。また、地方電力が他の地域に参入した際に、それぞれ持っていた特色とは関係ないプランを提供する事も良くあります。電力自由化以降は、新旧電力企業の別なく、未だ提供されていないような需要のあるプランを提供しようと躍起になっている状態です。ただ、自由化以降は常にプラン乗り換えを行った方が良いというわけではなく、もともと電気料金が安値だった北陸に住んでいる場合は、北陸電力の使用を継続した方がお得です。まずは、自分が住んでいる地域は電力自由化以前にどの位の利益・損失があったのかを確認しましょう。そして、従来の地域格差を参考に、様々な電力会社のプランを先入観なくフラットに比べ、自分に適したプランを見つけましょう。