太陽光発電の買取システム

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太陽光発電の全量買取と余剰買取の違いってなに?

太陽光発電で発電した電気を電力会社に買い取ってもらう際、どのくらい買い取ってもらうかで契約の内容が変わります。こちらでは、そんな太陽光発電の全量買取と余剰買取について、それぞれの違いや詳しい内容、契約時の注意点などをご紹介します。

太陽光発電の全量買取と余剰買取の違い

■太陽光発電の全量買取とは 太陽光発電の全量買取とは、その名の通り発電した電気を全て電力会社に買い取ってもらうというものです。自宅で使う電気は通常通り電力会社から買い、自宅で発電した電気は電力会社が全て買い取ります。2016年現在、電気の全量買取制度で契約すれば以後20年間は発電した電気を買取続けてもらうことができます。ただし、全量買取は10kw以上の設置容量がある場合にしか契約することができません。一般的な住宅の屋根に乗せるだけでは4~5kw程度しか確保できないので、大きな住宅を建てたりカーポートなどの敷地内にも設置できるような広い土地建物を持っている方でないと難しいです。また、太陽光発電設備を設置すると、都道府県や自治体から補助金を受けることができる場合が多いのですが、全量買取の場合は補助金を受けることができません。 ■太陽光発電の余剰買取とは 太陽光発電の余剰買取とは、自宅で発電した電気をまずは自分たちで使い、余ったら電力会社に売るというものです。2016年現在では10年間の買取保証を受けることができます。一般的な住宅に太陽光発電用パネルを乗せる場合は、大抵の場合余剰買取の契約を結ぶことになります。余剰買取の契約を行っている方は、2013年までは太陽光パネル設置の際に国から補助金を受けることができましたが、2016年現在は国からの補助金はありません。ただし、都道府県や自治体が独自に行っている補助金は受けられる可能性がありますので、お住まいの都道府県や自治体の広報誌やホームページなどを確認してみてください。

いくらで買い取ってもらえるの?

■買取単価について 太陽光発電で発電した電気は、契約した10年ないし20年の期間中は電力会社に買い取り続けてもらうことができます。2016年度の買取価格は「全量買取の場合24円/kWh」「余剰買取の場合31円/kWh、もしくは33円/kWh」となります。電気の買取価格は年々下がり続けていますが、買取価格は「固定」なので、太陽光発電導入時に契約した単価が10年もしくは20年間継続されるということになります。これからどんどん買取価格は下がっていくと予想されるので、できるだけ早い時期に太陽光発電を導入し少しでも高い単価の時に契約したほうが、導入にかかった費用を回収しやすくなります。 ■ダブル発電で買取単価が下がる 太陽光発電を貯めておくことができる蓄電池というものがあります。蓄電池があれば、昼間は太陽光発電で発電した電気を使い、夜は蓄電池に貯めておいた電気を使うことができ、電気代の節約に大きく貢献してくれます。しかし、この太陽光発電で発電した電気を住宅用蓄電池などにためておいて使う、所謂「ダブル発電」と呼ばれる仕組みを使う場合は買取単価が4~6円下がりますので注意しましょう。逆に言えば、買取単価を下げるくらい電気代節約のために消費者側にとっては良い仕組みであるといえます。ダブル発電は「蓄電池・住宅用バッテリー」「エネファーム・エコキュート」「電気自動車の住宅連携システム」を使用すると当てはまるようです。

出力制御対応について

■出力制御対応機器の義務付け 北海道電力、東北電力、北陸電力、中国電力、九州電力、沖縄電力の管轄エリアでは、平成27年4月1日以降に太陽光発電の接続契約を申し込んだ場合、出力制御対応機器の設置が義務付けされることになりました。出力制御対応機器は電力会社に過剰に電気が集まり過ぎるのを防ぐためのものです。電力会社が各家庭へ送電するために必要な電気需要に対し、太陽光発電設備からの電気供給が上回ってしまうと、電力会社の接続系統がパンクしてしまう恐れがあるため、そのような場合は売電契約を結んでいたとしても電気の宇力を制御するように要請することができるのです。該当エリアでこれから契約をする方は、いくら太陽光発電で電気をたくさん発電したとしても、丸々買い取ってもらえないというケースが出てくるかもしれないことを念頭に置く必要があります。 ■機器のあるなしで買取単価も変化 出力制御対応機器がある、もしくは設置が義務付けされているエリアの契約と、機器がないか設置が義務付けされていないエリアの契約とでは、電気の買取単価も異なります。2016年4月の時点では出力制御対応機器がある・設置義務付けエリアは33円/kWh、出力制御対応機器がない・設置義務がないエリアは31円/kWhとなっています。東京電力エリアなどの設置義務がないエリアにお住まいの方は、もし出力制御対応機器を設置したとしても、買取単価は変化せず31円/kWhのままとなります。

電力自由化は電力会社にとってもメリットあり

■既存の電力会社にとってもチャンス 電力自由化前までは、担当エリア外の電力会社と契約することはできませんでした。しかし現在は、電力会社が今まで手出しできなかった地域へ電力供給が可能になり、更なる売上を目指すことができるようになったのです。関東・関西・中部エリアなどの特に人口の多いエリアに進出し顧客を獲得できれば、赤字地域を多く抱える電力会社も既存の顧客の電気料金を値上げせずとも赤字の補てんが可能になります。そうなれば電気料金の値下げも可能になり、新規参入事業者とも競争していけるようになります。既存の電力会社にとって、今の顧客を失う恐れが出てくる電力自由化はデメリットばかりではなく、新たな顧客獲得を目指すためのチャンスでもあるのです。 ■電力会社の良さを知ることができる 電力自由化で新たな会社や企業がどんどん参入してきていますが、それは今までその地域を担当してきた電力会社が地域の区別なくみんなが電気を使い、便利で快適な生活ができるよう努力してきた結果です。山奥や離島に電気を届けることがどれだけ大変なことか、私たちは改めて思い知ったのではないでしょうか。つい目新しい会社の電気プランに目移りしてしまいますが、電気供給についてのノウハウや経験、トラブルへの対応などの安定性はやはり既存の電力会社に勝るものはありません。万が一なにかあったときに安心して任せられる会社かどうかも、しっかりと精査して契約する会社を選んでいきたいですね。

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