沖縄電力のクリーンエネルギーについて

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沖縄電力はクリーンエネルギーをどう考えているの?

クリーンエネルギーは地球に優しい地熱・水力・太陽光発電などの総称で、日本の各電力会社でも普及・導入への取り組みが進められています。

今回は沖縄電力の取り組みについてまとめました。

■沖縄電力の取り組みと実証実験

沖縄電力は沖縄本島および37の離島に電力を供給している電気事業者です。

沖縄県は地理・地形的な問題で水力発電および原子力発電の開発に向いておらず、主要な電力のエネルギー源を化石燃料に頼っているという状況です。

そこで、石油や石炭と比べてCO2排出量の少ないLNG(天然液化ガス)燃料で運用している吉の浦発電所を中心とした運用を行っています。

●LNG発電所の運用

沖縄電力管内の吉の浦火力発電所では、LNGコンバインドサイクル発電システムを採用しています。

これは硫黄酸化物やばい塵の発生がなく、化石燃料の中ではCO2排出量が最も少ない環境に配慮したシステムです。

LNG火力発電所を導入したことにより、発電燃料が石炭・重油・LNGの3種類に増え、電力の安定供給に結びつくことが期待されます。

●太陽光発電所の実証実験

沖縄本島北部にある安部メガソーラー実証研究設備は、2012年より運転を開始しました。

これは沖縄電力初の太陽光発電設備です。

既存の火力発電設備に替わることで大幅なCO2排出量削減が見込まれます。

ここでは、実際に太陽光発電設備を大量に導入した場合のデータをとって分析するという実証を伴った研究に取り組んでいます。

沖縄電力管内にある宮古島メガソーラー実証研究設備では、太陽光発電に蓄電池を組み合わせているのが特徴です。

太陽光発電では陽射しが強まると発電の出力が上がり、陽射しが弱まると発電の出力が落ちるため、それを平衡化するために蓄電池で充放電します。

2010年の運転開始後、宮古島メガソーラー実証研究設備には2年間で2,500人もの見学者が訪れました。

電力関係者や研究機関からはもちろん、地元の人々や海外から訪れる人もいるため世界中からの関心の高さがうかがえます。

●マイクログリッドの実証研究

宮古島の実証研究は、マイクログリッドの実証研究のひとつでもあります。

マイクログリッドとは、限られた地域内で太陽光発電など複数の発電・蓄電設備を組み合わせ、需要にあわせてバランスを調整し安定的に供給するシステムのことです。

離島ではエネルギー源のほとんどを海上輸送によって島外から運んでいるため、電力コストが高いことが課題でした。

そこで考えられたのがマイクログリッドのシステムの活用です。

経済産業省から「離島独立系統新エネルギー導入実証事業」の補助を受け、宮古島・与那国島・北大東島・多良間島の4つの島で実証実験を行いました。

この実験では、太陽光発電と蓄電池の運用データから、将来的に安定的な電気を供給できる有効性が確認できました。

離島においてはクリーンエネルギーを導入しやすく経済的なメリットが得やすいことから、大量導入における手本となることが期待されています。

ただし、今後の実現化にはコストの削減が大きな課題です。

■クリーンエネルギーに対する取り組み

地球温暖化の原因となるCO2を排出しないため、従来型の発電燃料に比べても地球に優しいクリーンエネルギー。

一方で気象条件に大きく左右される、発電コストが割高であるなどの課題もあります。

沖縄電力でのクリーンエネルギーへの取り組みについて見ていきましょう。

●離島での風力発電の導入

沖縄電力では小規模離島に風力発電設備を導入することで、収支不均衡の緩和とクリーンエネルギー導入によるCO2排出量低減を目指しています。

波照間島と南大東島にそれぞれ245kWのものが2基、粟国島に245kWのものが1基、多良間島に245kWのものが2基の計7基を導入しました。

これらは日本初の可倒式風力発電設備であり、台風による強風の恐れがあっても安全に稼働できるよう、沖縄の風土に合わせた設備です。

離島の燃料費低減や設備運用の効率化に大きな期待が寄せられています。

ただし、供給の3割以上を風力発電が占めると、天候による出力変動で電力供給が不安定になる可能性が高くなります。

そこで波照間島では電力の安定化のため、併せて鉛蓄電池を導入するなどの対策を実施しています。

●小水力発電設備の導入

発電機関で出た冷却水を海に放流する際に有効活用するために小水力発電設備を導入しています。

放流水は落差が約10メートルあり、これを取り入れた宮古第二発電所では燃料コストの削減に成功しています。

●木質バイオマス混焼の実施

家畜ふん尿や建築廃材など、化石資源をのぞく生物由来の有機資源をバイオマス資源といいます。

沖縄県内から出た建築廃材などをペレット状に加工した木質バイオマスを集め、石炭に混合して燃焼させることでクリーンエネルギーの利用拡大とCO2の排出抑制に取り組んでいます。

■地域性をうまく利用した取り組みが特徴

沖縄電力管内でのクリーンエネルギーの活用は、限られた地理面積や離島の多い地域性から、風力発電や太陽光発電が主力です。

特に、離島におけるマイクログリッドの活用の取り組みは世界からも注目を浴びており、今後にさらなる期待が寄せられています。

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わかな
ライター/節電・節約大好き
半ば節電・節約が趣味の女性ライターです。「お家の電気」の話が得意です。

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