新電力のピークシフトプランとは

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ピークシフトプランとは?新電力ではどうなる!?

「ピークシフトプラン」ってご存知ですか?夜間の電気をお得に使うことができる電気料金プランです。平日昼間は家に誰もいないオール電化で電気代が高い、なんて方はぜひチェックしてくださいね。また、新電力についてはどうなっているのかもご説明します。

ピークシフトプランとは

「ピークシフトプラン」とは、電力の需要が増える季節や時間帯に応じて、電気料金を細かく設定してあるプランのことです。

例えば、東京電力で電力自由化前からあったプラン(現在は新規受付中止)では、夜間:23:00~19:00、昼間:7:00~23:00、ピーク時:13:00~16:00という時間帯を設定し、

【10~6月(夏季以外)】

通常プラン、ピークシフトプランの順に

~120kWh:19.52円 (夜間12.25円、昼間29.08円)

120超~300kWh:26.00円 (夜間12.25円、昼間29.08円)

300超~:30.02円 (夜間12.25円、昼間29.08円)

【7~9月(夏季)】

通常プラン→ピークシフトプラン

~120kWh:19.52円 (夜間12.25円、昼間29.08円、ピーク54.77円)

120超~300kWh:26.00円 (夜間12.25円、昼間29.08円、ピーク54.77円)

300超~:30.02円 (夜間12.25円、昼間29.08円、ピーク54.77円)

という料金設定を行っていました。

夜間の使用量が、通常プランより割安になっているのに対し、昼間の料金は使用量が少ない世帯で割高となり、夏季のピーク時においてはさらに高くなっていました。

■ピークシフトプランのメリット

共働き世帯などで昼間に電力を使わない世帯や、オール電化で夜間に電力を使うエコキュートなどを使用されている場合は、電気料金がお得になります。

しかしこのプランは、消費者のメリットのため作られたプランではありません。

ご存知かとは思いますが電気は貯めておくことができません。電力会社は、電力需要のピークを想定して、常にピークの電力が供給できるよう準備しておかなければなりません。ピークとそうでない時の差が激しいほどコストも労力もかかります。電力需要のピークを低くし、夜間に電力需要を持っていくことで需要の波を平坦化し、安定した電力供給を図ることが電力会社の真の狙いです。

ピークシフトプランを展開する会社

まずは、東京電力が電力自由化後の新プランとして打ち出している「夜トク」「スマートライフ」の2つのプランについて見ていきましょう。

●夜トク

「夜トク」には、23:00~7:00までの8時間を夜間とする「夜トク8」、21:00~9:00の12時間を夜間とする「夜トク12」の2つのプランが存在します。

通常プラン、夜トク8、夜トク12の順に、

基本料金(1kWあたり):280.8円 210.6円 210.6円 

従量課金~120kWh:19.52円 (夜間20.78円 夜間以外32.14円) (夜間22.55円 夜間以外33.76円)

120超~300kWh 26.00円 (夜間20.78円 夜間以外32.14円) (夜間22.55円 夜間以外33.76円)

300kWh超 30.02 (夜間20.78円 夜間以外32.14円) (夜間22.55円 夜間以外33.76円)

どちらも、基本料金を安く設定し、従量課金は120kWhを超えた分において夜間の電気料金が通常プランより安くなります。「夜トク8」は、「夜トク12」より夜間とする時間帯が短い分、従量課金の料金は「夜トク12」より安くなっています。

後述する「スマートライフ」に比べて、使用量はそれほど多くないけれど、昼と比較すると夜の使用量の方が多いという世帯向けのプランです。日中は不在がちで、夜に電気炊飯器や食器洗い乾燥機などをセットして電気を使用する、といったライフスタイルに適しているでしょう。

●スマートライフ

午前1時~午前6時の電気料金がお得になるプランです。

通常プラン、スマートライフの順に、

基本料金(1kWあたり):280.8円 450.0円 

従量課金~120kWh:19.52円 (夜間17.46円 夜間以外25.33円)

120超~300kWh 26.00円 (夜間17.46円 夜間以外25.33円) 

300kWh超 30.02円 (夜間17.46円 夜間以外25.33円) 

昼間の電気料金も120kWhを超えた分においては通常プランより安くなり、さらに夜間の電気料金はすべての段階において割安になります。反面、基本料金は高く設定されています。

オール電化などで電気の使用量が多い世帯で、さらにエコキュートなどの夜間蓄熱式の機器を使って夜間の電力を多く使う世帯にお勧めのプランです。

■関西電力

関西電力でも同様に「季時別電灯PS」というプランを設けています。東京電力の自由化以前のプランのように昼間(7:00~23:00)、夜間(23:00~7:00)、夏季のピーク時間(7~9月中の13:00~16:00)を設定しています。夜間の料金は13.10円とかなりやすく設定されていますが、ピーク時間の料金は60.70円と高めの設定になっています。

■中部電力

中部電力でも同じく「スマートライフプラン」というプランを設けています。夜間時間帯を21:00~7:00、22:00~8:00、23:00~9:00の3つのプランから選べ、さらに平日の10:00~17:00を「デイタイム」とし、ナイトタイム(夜間)、デイタイム、ホームタイム(ナイトタイム、デイタイム以外)の3つの時間帯で料金を設定しているのが特徴になります。

■新電力

新電力でプランを設定している会社は見つかりませんでした。しかし、今後新電力への切り替えが増え、料金体系がさらに多様化してくれば取り入れる新電力会社も増えてくるものと見込まれます。

今後は新電力によるピークシフトも

ピークシフトプランはご理解いただけましたでしょうか。共働き世帯オール電化世帯は十分に検討する価値がありそうですね。

新電力でピークシフトを取り入れている会社がまだないのは、新電力で発電所を持つ会社は少ないためピークの波によるコストを考える必要がないからかと考えられます。

しかし、今後さらに新電力市場が成熟すれば、電力ピークの波によるコストの影響は徐々に新電力会社へ、さらには新電力を契約する消費者へと波及することでしょう。

私がお届けしました!

チャーリーブラック
専属ライター/新電力がアツいです
寒がりで普段から着こみ癖があります。
冬は電気代を抑えるのに必死です。
好きな家電→ 加湿器と15年以上使っているDENONのコンポ

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