電力自由化以降の各電力会社の現状と対応新プラン【関西~沖縄編】
前回は北から中部電力までを中心にご紹介して参りましたが、今回は西日本を中心に電力自由化後の各電力会社の変化などを見ていきたいと思います。
併せて電力自由化に対応している新プランも紹介していきます。
現在の電力業界の中心的役割を果たす「関西電力」
関西経済圏を支える電力会社で、福井県に立地する原子力発電所から電力が安定的に供給されているため、発電電力量に占める原子力の比率高いと言うのも特徴の一つです。
本業の電力に加えて、通信、ガスなどの新規事業への進出も積極的に行っています。
スマートメーカーの導入に最も早く取り組んだ会社としても、知られています。
売り上げ規模は、東京電力に次ぐ第2位を占めている電力業界の大手ですが、電力システム改革の、電力自由化への対応がやや遅れているようです。
主力発電の再稼働が課題
供給区域は、三重県を除く、近畿地方と福井県の一部で、電源設備の全体は、若狭湾に並ぶ、原子力発電所でしたが、福島の事故以来、再稼働が困難な状態が続いております。需要面では、家庭用、商業用、大口産業用のバランスが取れているようです。
関西経済の回復が遅れ、需要の大きな拡大は難しいとの見方がされています。
使い方次第で、ぐんと安くなる「eスマート10」関西電力の新プラン
関西電力の新プランは少なく、唯一注目されているのが「eスマート10」のプランです。これは、季節や時間帯で、電気の使用量が変動するプランです。フル稼働する7~9月、の13時~16時は、42.65円、それ以外の8~22時は34.12円、22時から8時まではナイトタイムとなり、10.60円、(いずれも1kwh)にまで下がると言うものです。
利用料金が高い時間、低い時間を見極めて使えばお得になるシステムです。
販売電力量業界7位 「四国電力」
今後は、電力自由化を見据えて風力発電や、バイオマス発電など再生可能エネルギーにも積極的に取り組んでいく方針です。
多岐に渡った新プランを打ち出している電力会社
電力自由化後、様々なプランを打ち出している中でも、注目されているのは、休日に料金がお得になる「ホリデーeプラン」と、電化住宅向けの「スマートeプラン」と言えそうです。原子力を中心にバランスの良い電源構成の電力会社 「九州電力」
しかし、川内原子力の再稼働で回復に向かっていると言えましょう。
九州電力の場合は、離島が多く、このことが、発電コストに影響を及ぼしているのも確かです。
販売電力量は、業界4位の電力会社です。
川内原子力に次いで、玄海原子力の再稼働も近いと見られており、業績回復に貢献しそうです。
この地域には、国内最大と言える「八丁地熱」もあり、電力自由化で機運に乗り風力発電と共に再生可能エネルギーの取り組みが本格化しそうです。
ライフスタイルに合わした新ブランド設立
多様化するライフスタイルに合わせた新ブランド、「キレイライフプラス」を立ち上げました。主なプランは、「スマートファミリー」、季節や休日で料金が変わる「電化でナイト・セレクト」毎月350kw以上使っている家なら「スマートファミリー」等があります。
豊富な水力発電を抱える北陸電力
水力以外には、風力発電、など再生可能エネルギーの開発も大いに期待できる地域です。小さな電力会社ゆえに、電力自由化が始まった初期の頃には米国のエンロン社が買収するのではないか、との噂が広まったのは周知のとおりです。
現在抱えている志賀原子力は、再稼働が難しい状態にあり期待は出来ないでしょう。
電力自由化に対応するオリジナル企画・節電とくとく電灯
地方の電力会社の中では、オリジナル性の強いプランを打ち出していると評判なのが北陸電力です。電気使用量が多い家族に限られていますが、節電した分だけ料金が安くなるというプラン「節電とくとく電灯」です。
基本的な料金は、これまで通りですが、電気使用量が多くなる夏や、冬に、節電すると、料金が割安になる、と言うことです。
少なくとも損することはないから試してもいいプランと言えそうです。
電力自由化の対象外となっている唯一の電力会社「沖縄電力」
供給区域が沖縄県に限られているため、販売電力量は10電力会社の中で、一番小さな会社です。
沖縄では現在のところ新規参入してくる企業は見当たりません。
ある意味では電力自由化の枠の外で、一人勝ちの地域と言えるでしょう。