ゴミ場に連れていかれないためになんとかPCとゲーム機の電力消費を抑えようと奮闘中。
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電力自由化が始まり新たな新電力会社が参入して、消費者である私たちはより一層選択肢が広がるようになりました。
新電力の参入によって従来では考えられなかったような内容の契約プランも増えてきており、今までよりももっと自分のライフスタイルやポリシーにマッチした電力プランを選ぶことが可能です。
これからさらにこだわりを持った小さな会社も参入しやすくするための仕組みであるバランシンググループについて詳しくご紹介したいと思います。
新たな新電力の中には再生可能エネルギーを活用したFIT電気や非FIT電気をメインに供給する環境に強いこだわりを持った会社もあります。
最近では電気の100%地産地消を目指した湘南電力などの地方密着の新電力もあります。
このように消費者にとってライフスタイルやこだわりに合わせて選択肢が増えるのは非常に喜ばしいことですが、新たに新電力が参入するのを妨げている障害もあります。
それが今回のテーマのバランシンググループとも大きく関係のあるインバランス料金です。
現在新電力会社は全体の電力安定供給のためにも30分単位で電力の需給を一致させなければいけないというバランシングの制限を受けます。
もし仮に自社の顧客が必要としている電力よりも供給量が下回ると一般電気事業者の系統運用部門が新電力に代わって足りない分の電力を補給します。
これは過剰供給した際にも適用されます。
この仕組み自体は私たち消費者が常に必要な電気を必要な時に使用するために必要な制度ですが、新電力会社は補給してもらった電力の分に関しては”インバランス料金”と呼ばれるペナルティを支払う形で帳尻を合わせます。
このインバランス料金が通常の電気料金よりも高額なため、電力が安定供給できないと新電力会社で利益が出ないという状況が生じる可能性が高くなります。
環境に強いこだわりをもった新電力会社は多いですが、例えば太陽光発電や風力発電などは電力量の安定供給が難しい分野の発電方法です。
そのため結果として他の火力発電などによる発電量の割合を増やすという対処策をとらなければならなくなります。
また新電力会社が新たに電力会社として参入するためには定期的に必要になるインバランス料金の他にも発電所などの設置費用、送電網を利用する託送料金など高額な資金が必要になります。
そうすると例えば再生可能エネルギーに強いこだわりを持った小さな新電力会社などがなかなか参入しにくくなってしまうのです。
私たち消費者にとっても選択肢が減るこの問題を一気に解決する可能性を秘めているのが”バランシンググループ”という制度です。
バランシンググループの仕組みにより、安定供給が難しいエネルギーを扱う新電力会社が集まってグループを作り、全体で互いの過不足を補い合い、インバランス料金を避けることができます。
そのため小さな新電力会社なども新たに電力会社として参入しやすくなるのです。
ここまで見るとこのバランシンググループ、全くデメリットが見当たりませんが、解決しなければならない問題もあります。
バランシンググループとはご紹介したように代表契約者制度とも呼ばれ、いくつかの会社が集まり代表を決める制度です。
そのため代表に選ばれた会社は30分毎の電力の全体の調整、決済処理などの膨大な事務処理に対処しなければならなくなります。
またグループとはいえ、会社自体としては関係のない各社の発電量などの情報が共有されてしまうというのにも機密情報漏洩の危険性があります。
こうしたデメリットもあったバランシンググループですが、30分毎の決算から1週間または1か月毎の決算へと切り替えることで事務処理と経費を削減することができます。
また2008年からは託送料金にかかわる決算などの事務作業を第三者機関に委託する制度が許可され、これによってバランシンググループを形成する際に事務作業量を考慮する必要がなくなったため、グループをより大きくすることができるようになりました
ライフスタイルやこだわりに合わせて電力会社を選ぶことができます。
でもそれは電力の安定供給という大前提のもとの自由であるべきです。
その電力の安定供給をより確実にするために、そしてこだわりをもった小規模な新電力がより一層電力会社として参入しやすくするために、今回ご紹介したバランシンググループが活躍することを期待しましょう。