意外とすごい?!東京電力のクリーンエネルギーへの取り組み
東京電力では、福島第一原発事故の問題や二酸化炭素排出量の増加などのマイナスな面が注目されていますが、クリーンエネルギーへの取り組みも積極的に行っています。
東京電力のクリーンエネルギーへの取り組みについて詳しく解説していきます。
エネルギーミックスへの取り組み
様々なエネルギーを安定的に確保し、それらをバランス良く混ぜ合わせたエネルギーミックスがとても重要になってきます。
東京電力では、化石燃料だけでなく、水力発電や太陽光発電など、様々なエネルギーによる発電を実施しています。
現在のところ、安定的に、大量に、環境を破壊することなく安全に供給できる万能な資源はありません。東京電力では、複数の燃料による発電を組み合わせるエネルギーミックスが行われています。
■イメージで契約すると大変なことに?
電力自由化によってクリーンエネルギーを謳っている新電力は増加しましたが、東京電力はいくつかの新電力よりもクリーンエネルギーの配分が多く、1kWhごとの二酸化炭素の排出量も少ない場合があります。
エコな電気を購入したい方は、イメージだけで選んでしまうと、逆に東京電力よりもエコではない電力を選んでしまう可能性があります。
エコな電力を選びたい場合は、契約する前に東京電力の二酸化炭素排出量と新電力の二酸化炭素排出量を比べてみるのがおすすめです。
■東京電力のメガソーラー発電所
東京電力では、2011年から大規模な太陽光発電所であるメガソーラー発電所での発電を行っています。
メガソーラー発電所は、出力が1,000kW以上ある太陽光発電所のことを指します。
メガソーラーの施設は2016年10月の時点で、以下の3つの発電所があります。
●浮島太陽光発電所
●扇島太陽光発電所
●米倉山太陽光発電所
浮島太陽光発電所と扇島太陽光発電所は、東京電力と川崎市との共同で開発された太陽光発電所です。
米倉山太陽光発電所は、東京電力と山梨県の共同で運営されています。
東京電力にとって初めての内陸型メガソーラー施設です。
それぞれの発電方法のメリットデメリット
万能な発電方法は今のところ無く、発電方法にはそれぞれデメリットもあります。
例えば、石油による火力発電は、埋蔵量が少ないので燃料の価格変動が激しいというデメリットがあります。
二酸化炭素を排出するので、クリーンとは言えません。
天然ガスは石油や石炭の火力発電と比較するとクリーンですが、石油と同じように価格変動が激しいというデメリットがあります。
石炭は石油よりも埋蔵量があり価格も安定していますが、環境保全対策をする必要があります。
■クリーンエネルギーにもデメリット
クリーンエネルギーにもデメリットがあります。
風力発電は、クリーンエネルギーとも呼ばれており再生可能な資源の風力を使っています。
水力発電は、二酸化炭素を排出することなくクリーンですが、今後は日本での大規模な開発は難しいと言われています。
太陽光発電もクリーンエネルギーとして有名ですが、発電コストが非常に高く、天候に発電量を左右されるので、安定的な供給が難しいと言われています。
風力発電も太陽光発電と同じようにクリーンですが、発電コストが高く天候に発電量を左右されやすいです。
火力発電の熱効率向上への取り組み
例えば、二酸化炭素を排出することで有名な火力発電所ですが、熱効率をたった1%向上させることで、年間150万トンの二酸化炭素の排出を減らすことができます。
昭和30年代の東京電力の火力発電所の熱効率は30%程度でしたが、現在では50%まで引き上げることに成功しています。
この数字は世界最高水準とも言われています。クリーンエネルギーへの取り組みだけでなく、火力発電の熱効率を向上させることにも取り組んでいます。
また、二酸化炭素排出量の少ないLNG火力発電を積極的に取り入れています。
■火力発電による大気汚染への対策
また、東京電力は火力発電所が原因の、大気汚染への対策も積極的に行っています。
火力発電所からは、二酸化炭素だけでなく、窒素酸化物や硫黄酸化物の他煤塵(ばいじん)などがあります。
これらの物質は大気汚染の原因となるため環境にはよくありません。
東京電力では、燃料、設備、運用の側面からこれらの物質の排出量を減らし、世界的に見ても非常に低い排出量となっています。
十分な環境対策を行っている東京電力
今回は書ききれませんでしたが、もちろん再生可能エネルギーの購入も積極的に行っています。
マイナス面ばかりが注目されがちな東京電力ですが、意外と新電力の発電所よりも1kWhごとの二酸化炭素排出量が少ない場合があります。
新電力への切り替えの際には十分注意しましょう。