電力自由化で見直したい!電気代の仕組みとは?
電気代と言われる料金の内訳と仕組み、また家庭にある電化製品の電気消費量の算出方法についてまとめました。
電気代の仕組み
■基本料金
基本料金は毎月必ず支払う料金です。東京電力・中部電力・九州電力では、契約アンペア数に応じて基本料金が決まっています。東京電力の電力自由化前の従来のプラン「従量電灯B.C」および新プランの「スタンダードS」の場合、20Aで561円60銭、30Aで842円40銭です。新電力会社各社でも、契約アンペアに応じて基本料金が設定されている場合が多くなっています。
一方、関西電力・中国電力・四国電力・沖縄電力では、アンペアにかかわらず「最低料金」が設定されています。そのほか、「Looopでんき」のように基本料金が無料の電力会社も存在します。
■電力量料金=使用電力料+燃料費調整料
まず電力量の単価を出します。これは1kWhあたりの電力量単価に実際の電気の使用量をかけた金額です。ここに「燃料費調整単価」を電気の使用料にかけた金額を合計したものが、電力量料金となります。
・電力量単価とは
電力会社では、電気1kWhあたりの単価がそれぞれ決まっています。東京電力などの大手10社では三段階に設定されており、使用量が多いほど単価は高くなります。東京電力のプラン「従量電灯B」の場合、120kWh未満は19.43円、120kWhから300kWh未満は25.91円、300kWh以上は29.93円です。
・燃料費調整額とは
原油や液化天然ガスなどの燃料はほぼ輸入に頼っているため、価格が日々変動します。その変動分を、発電コストに見合うよう基準価格に応じて反映させる必要があります。燃料費調整額と呼ばれ、毎月の電気代に影響してくるものです。電力会社の購入額が基準より上の場合は料金に加えられ、下の場合は引かれることになります。
■再生可能エネルギー発電促進賦課金とは
電力自由化で注目されるようになった、太陽光、風力、バイオマス発電などを再生可能エネルギーといいます。これらは一定期間電力会社が買い取ることを国で義務づけられています。再生可能エネルギーはまだまだコストが高いため、費用の一部を利用者にも負担してもらおうというのがこの制度。電力自由化後の平成28年5月から29年4月までは、1kWhあたり2.25円と定められました。
実際に電気使用量を計算してみよう
■電気使用量の計算方法は?
それぞれの家電には、どれだけ電気を使うかの指標となる「消費電力」があります。単位は「W(ワット)」で、「A(電流)×V(電圧)=W(電力)」の計算式だけで簡単に求めることができます。
使用電力量の計算式は「消費電力×使用時間」です。たとえば40型で消費電力120Wの液晶テレビを5時間見た場合、「120W×5時間(h)=600Wh」となります。
しかし、電力会社が電力量料金を求める場合は「kWh(キロワットアワー)」という単位です。これは1時間あたりの電力の使用量にあたります。
・「Wh」を「kWh」に変換する
「Wh」を「kWh」に変換すには先ほどの計算式を1000で割ればいいので、40型で消費電力120Wの液晶テレビを5時間見た場合、「120W×5時間(h)÷1000(W)=0.6kWh」となります。
■実際に計算してみよう
ここでようやく電気使用量の計算に入ります。
「消費電力×使用時間÷1000」に、1kWhあたりの電力量単価を掛けます。東京電力の第一段階電力量単価は19.43円ですので、これに基づいて計算してみましょう。
40型で消費電力120Wの液晶テレビを5時間見た場合の電気代は、「120W×5時間÷1000×19.43円=11.66円」となります。この計算式を数字だけ変えてしまえば、ふだん家庭で使用している家電の電気使用量を求めることができます。
■消費電力は変動する
これは数値上のものであり、実際には使用環境によって消費電力はそのつど変わります。例えばエアコンの場合、「消費電力:1200W~150W」とかなり曖昧に表記されていることがあります。これは最大から最小までの数値を表しているのです。このほかにも、消費電力の最大値を記載した「定格消費電力」というものもあります。
また、冷蔵庫のように年間を通して使う家電の場合は「年間消費電力」で考えます。冷蔵庫は季節の温度変化や食材の詰め具合、開閉回数などによって消費電力が変わるため、目安として最初から平均値を表示しているのです。この場合は「年間消費電力×電力量単価」で年間の電気代の概算を出すことができます。