電力自由化の現状

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電力自由化後の現状を徹底リサーチ!結局乗換プランは得?

2016年4月から実施された電力自由化が始まって早くも半年が経過しました。徐々に電力自由化という言葉は浸透してきたようですが、実際に新電力会社に切り替えた人たちはどのくらいいるのでしょうか?そして、結局、新電力に切り替えて電気料金が下がったと実感しているのでしょうか?電力自由化によって、私たち消費者の生活にどのような変化があったのか、電力自由化半年後の現状についてリサーチしてみました。

データで見る電力自由化半年後の実態

これまで事実上電力市場は独占状態にあり、消費者は良くも悪くも電力契約先の選択に悩むことはありませんでした。各地域の電力会社だけが電気を販売していた時代から、自分たちで電力会社を決めるようになった現在、消費者はどのような選択肢を選んだのでしょうか。国と民間企業両方が、電力自由化後の電力利用の実情を調査しました。 まず、大手商社電通が2016年6月に全国の20~69歳の男女5,000名を対象に、「第3回エネルギー自由化に関する生活者意識調査」を、そして電力・ガス取引監視等委員会が2016年9月に全国の20~69歳の男女30,000名を対象に、「電力小売自由化に関する消費者選択行動アンケート調査」を実施しました。 これらの調査から明らかになったのは、積極的に新電力プランに切り替える、あるいは検討中の層が増える一方で、依然として「電力自由化になった現状は知っている」けれど「実際何をすればいいのかわからない」という消費者の存在が少なくない、ということです。電力自由化自体は認知はされてきたけれども、広く実質的な改革内容が理解されているとはまだいえず、不安に思う人々の意見は以下の二つに集約されるようです。 ■電力自由化のメリットがわからない 「夜間割引サービスがない新電力に変更すると割高になるのではないか」、「問い合わせ窓口が明確な既存電力の方が安心できる」など、実質的なメリットを感じるまでには至っていないようです。 ■「何となく不安」 電力供給にリスクがあるのではないか、実態がわからない会社ばかりで契約する気になれない、などといった不安があるようです。

電力自由化の後に見えてきた課題とその解消ポイント

先にご紹介した消費者からの意見のとおり、国や電力会社各社には、さらなる電力自由化に向けての具体的な情報発信と不安解消が求められることが分かってきました。そこで、さらに具体的な消費者の不安ポイントを探り、その解消案を探ってみました。 ■地域格差が大きいこと 沖縄や離島など、まだコストに見合った販売体制が整っていない地域への、新電力会社参入が遅れていることです。しかし、独自の発電設備で賄うしかない地域はともかく、すでに新規参入が予定される地域もあり、今後さらに改善が進むでしょう。 ■新しい電力システムへの信頼を確立していないこと 結論から言えば契約した新電力会社が倒産しても停電することはありません。常に電力ネットワーク全体で電力供給が保たれる仕組みになっているのですが、まだ完全に周知されているとはいえないようです。 ■肝心の問い合わせ先が分からない 全国展開の新電力と、地域限定の新電力がそれぞれキャンペーンを展開し、「何処に契約すればよいのかわからない」と消費者を混乱させていることは否めません。徐々に情報が整理され新電力会社のリサーチが容易になれば解決することでしょう。"

電力自由化による経済効果はこれから始まる!

電力自由化により、新規参入企業は確かに増えましたが、現段階は電力小売りに集中している状況です。今後は発電の分野にも自然エネルギーを中心に新規参入企業数が増えることが予想されますから、さらにお得な電力プランが生まれることでしょう。また、エネルギー供給会社は電気のみならずガスやその他の分野でもサービス提供をし、統合型のエネルギー供給会社を目指しており、新しいビジネスサービスが生まれることが期待できます。 このようなエネルギー業界の再編が進んでいく動きに地域も注目し、電力会社と再生可能エネルギー分野で協定を結ぶ地域も出てきました。 このように電力自由化は単なる電気料金値下げにとどまらないメリットを、私たち消費者の生活に与えてくれる可能性があるのです。

まとめ

いかがでしたか?あまりにも長く続いた事実上の独占市場だった電力市場が自由化されたことに、まだ慎重な姿勢を崩せずにいる消費者は少なくないのが現状のようです。しかし電力会社他電力を提供する側が、消費者の誤解を得られるように働きかけつづけ、サービスの質を高めていくことでまた状況が変わっていくことでしょう。また同時に消費者側も、自分たちのライフスタイルに最適なプランを選択できる知識を持つ必要があります。 新しくスタートした完全自由化電力市場の試みはまだ始まったばかりです。消費者である私たちが真の電力自由化による効果を享受するのは、これからだといえそうです。

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