電力自由化のカギを握る電力会社のお仕事とは

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電力自由化の要である電力会社のお仕事とは

電力自由化を上手く活用するには、日本の電力会社の仕組みを知ることが大切です。

発電―送電―変電―配電と経て需要者に届くまでには、多岐に渡った部門を通過し、そこの事業が成り立っているのです。電力自由化の要は間違いなく電力会社です。

その根幹となる「電力系統」とは、発電から配電までの全体をシステムとして見做した言葉です。

その構成要素としては、「発電設備」送電線や変電所などの「流通設備」、そして末端で、電力を消費する「負荷」から成ります。

こうした仕事を請け負っているのが電力会社の仕事なのです。

日本の電力系統のレベルは、世界でもトップクラス

燃料を海外から輸入し、電気を作り、運び、自らが儒要者に届けているのです。 昭和の時代を過ごした人は知っていると思いますが、よく停電が起きたものです。 台風や、豪雪などの自然災害による停電で、よくローソクを買いに行ったものです。

それも今では、電化製品の発達、工場の生産ラインでのコンピューター制御、家庭でのパソコン等、瞬時の停電でも問題視されるようになりました。

絶え間なく、良質の電気を送り続けることが電力会社の最大の使命となったのです。

そこで、こうした幅広い電力会社の仕事をそれぞれの部門で、どのような業務を担っているのかまとめてみました。

こうしたメカニズムも併せて知っておくと、電力自由化を上手に活用することができるでしょう。

電気を作る発電部門は全発電量の過半を担う主力電源 「火力発電」

電気は空気のように当たり前に届きますから、それがどのように生まれ、どのように運ばれて来るかを知らなくても、何も不自由するわけではありません。

しかしこの当たり前の環境をつくるためには、実に多くの人が働き、日夜電気を作るために活動しているのです。

火力発電は、日々使われています電気の主力電源です。

電力自由化が実施される際には原子力発電との対比が盛んに行われていましたが、そんな我々のイメージとは裏腹に、火力、原子力、水力とある中で、大きな役割を果たしているのが火力発電なのです。

しかし石油や、石炭を燃やすため、二酸化炭素(C02)を排出しますので、原子力同様に電力自由化を契機に異なる発電方法への移行が期待されてもいます。

3種類の燃料をうまく使いこなす火力発電のメカニズム

火力発電は、ボイラーの中で、燃料を燃やし、その熱によって、水を蒸気に変えます。

その蒸気を高温高圧のまま、勢いよくタービンに送り込み、高速で回転させ、その回転で発電機を回し、発電するものです。

燃料としては、主に石炭、液化天然ガス(LNG)石油の3種類があります。

火力部門の仕事は、火力発電所の運転、保守、建設などがあります。

この内の保守の仕事と言いますのは、法律で定められている定期点検や、日常点検で発見されたトラブルに対応するのが主な仕事です。

建設は、発電所の新設が主な仕事になります。

熱効率改善に向け努力が続けられているC02 削減は電力自由化の命題

電力会社の間でも、地球温暖化防止のため、最近問題になっている「火力発電を減らそう」との動きもありますが、この火力発電のおかげで電気による、豊かな暮らしがあると言うことを忘れてはなりません。

この問題に対しては、むしろ排出されるC02を、できるだけ削減する技術を進化させることが重要と言えそうです。それが電力自由化への原動力ともなるでしょう。

電力自由化で、全国的に普及する純国産エネルギーの貴重な電源「水力発電」

電力会社の水力発電には、大きく分けて、「一般水力」と「揚水式」という2つの発電方法に分かれています。

一般水力では、河川の水を利用し、自然の地形やダムによる落差を利用して、発電する方法です。

この方法は基本的には常時発電しているため、昼夜を問わず、電力の需要を賄う「ベース電源」の役割を担える方法です。

一方の揚水式は、常に発電するわけではありません。

主に活躍するのは、電力需要が、ピークを迎える昼間となります。

電力需要に対し、供給力に余裕がなくなってきたときに、戦力入りする「ピーク電源」と言えましょう。

揚水式は、発電所の上部と下部にそれぞれ貯水池を設け、昼間は上部ダムから下部ダムに水を落として発電します。

逆に夜間は、他の発電所(原子力発電所など)から電気をもらって、水車を逆に回し、下部ダムから上部ダムに水をくみ上げて昼間に備えます。

つまり揚水式の発電は、夜間に余った電力を蓄えて、必要な時にいつでも発電できる巨大なバッテリーの役割を果たしているのです。

このように非常にエコなシステムによって発電出来ているので電力自由化が始まってからというもの水力発電への期待が集まっています。

しかし、火力発電を超えるだけの存在になりうるのでしょうか?

水力発電は主力発電方法になれるか

水力部門での電力会社の仕事は、ダムや発電設備の運転、制御、保守、管理が中心となります。

発電所は、制御所と呼ばれる離れた施設から遠隔コントロールされます。

この制御所が、複数の発電所を一括して運転し、起動・停止や、出力の調整といった操作を24時間体制で行っているのです。

保守・管理では、点検員による巡視が行われ、整備の異常徴候を捉えて、早期修理を行っています。

発電所の心臓部と言えます水車と発電機は、水を送り込んでから目的の発電出力になるまでの時間や、電圧が安定しているか、といった重要なポイントを調べるため、定期的に試験や分解点検が実施されています。

水は公共の資源です。ダムに水を溜めることによって、水道や、農業、工業などほかの用途に影響が出ると困りますので、それを避けながら発電所を運営することも、水力発電を行う上での重要なポイントです。

電力自由化開始以降クリーンエネルギーへの関心が高まっている中で、水力発電は特に期待を寄せられている方法なので電力会社の乗り換えの際には着目したいですね。

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ブンヤ教授
ライター/ニュース担当
電力自由化関連のニュース集めが得意

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